ワシル・ロマチェンコはオリンピックを二連覇し、プロ転向し僅か3戦目で世界王者になった精密機械と言われるほどのプロボクサーです。
長くPFPランキング1位に君臨し、「史上最高傑作」との呼び声も高いのです。
ロマチェンコはどれだけ凄いのか詳細をみていきましょう!
ワシル・ロマチェンコは世界最速の3階級制覇者!
2008年北京オリンピックのフェザー級で金メダルを獲得し、2012年のロンドンオリンピックではライト級で金メダルを獲得しています。
アマチュア戦績は驚愕の396勝1敗という戦績を誇ります。

プロに転向後は2戦目で世界戦に挑み、WBO(世界ボクシング機構)フェザー級王者のオルランド・サリドと対戦しました。
試合は前日計量で、サリドが体重超過で王座剥奪となり、ロマチェンコが勝てば新王者となる運びになりました。
しかし、2-1のスプリット判定で負け、史上最短王座獲得には至らなかったのです。
この時は、サリドにラフプレーが多く、プロ転向して間もないロマチェンコは経験が無く、サリドの術中にハマってしまったのであります。
後半はKO寸前まで追い詰めましたが、惜しくもタイムオーバーとなり僅差で負けとなりました。
経験の無さで負けてしまったのですが、直ぐにでも再戦したのならロマチェンコの圧勝だったでしょうね。
その後3戦目で、WBOフェザー級を獲得しました。
防衛を3回重ね、7戦目でスーパーフェザー級を取り、2階級制覇を達成しました。

初防衛戦ではノニト・ドネアをKOした元フェザー級王者で無敗のニコラス・ウォータースにTKO勝ちしています。

4回目の防衛線では、2階級下のWBA(世界ボクシング協会)スーパーバンタム級王者のギレルモ・リゴンドーと対決しました。
リゴンドーもオリンピックを2連覇し、当時はプロ無敗なのでこの試合は「天才対決」として大注目されました。
結果はリゴンドーがスピードについていけず、拳を怪我した事にして6ラウンド終了時で棄権し、天才対決をなんなく制したのです。
この試合がリゴンドーのプロ戦績で唯一の負けとなります。

プロ12戦目で、ホルヘ・リナレスとWBAライト級タイトルマッチを行った際は、6ラウンド目にプロ転向初となるダウンを奪われるも、10ラウンド目にTKO勝ちをし、世界最速の3階級制覇を達成しました。
2020年現在はライト級でWBA、WBO、WBC(世界ボクシング評議会)の3団体統一王者となっています。
2020年5月時点でのプロ戦績は15戦14勝10KO1敗となっています。
アマチュア戦績396戦1敗のロマチェンコに唯一勝利した選手は?

ロマチェンコはアマチュア戦績、396勝1敗でとんでもない数字だが、唯一ロマチェンコに黒星を付けた相手はどれだけ凄い選手なのかみていきましょう!
ロマチェンコを負かした選手はアルバート・セリモフです。
2007年11月に世界ボクシング選手権のフェザー級の決勝でロマチェンコに勝ちました。
セリモフは当時は世界的なアマチュアボクシングの強豪で、翌年の北京五輪にも出場し、再びロマチェンコと対戦しています。
再戦ではロマチェンコが勝っています。
ちなみにロマチェンコは2011年に、リオ五輪フェザー級金メダリストで、コンセイソン相手にも負けています。
ボディでダウンも取り、終始圧倒したロマチェンコだが、判定負けとなった。
しかしこの配線はウクライナ代表チームの抗議が通り、試合後に裁定が覆りました。
ゆえにロマチェンコの1敗はセリモフ戦のみとなっています。
セリモフはタッチボクシングのも申し子だったので、ロマチェンコには勝っているがプロでは通用しないタイプなので、プロ転向はしていません。
メイウェザーの愛弟子デービスがロマチェンコと戦うにはまだ早い!
メキシコのボクシング界の至宝であるサウル・アルバレスが、2019年11月にライトヘビー級も取り、4階級制覇を達成し、PFP1位に躍り出ましたが、それまではロマチェンコがPFP1位に君臨し続けていました。
ロマチェンコの凄い所は、対戦相手がほぼ元世界王者やランキング上位の強豪と言う所です。
いわゆる「かませ犬」との試合は好まず、その時一番強いと言われている選手と対戦し、さらに僅差の判定で勝つのではなく、全く寄せ付けずに勝つ所なのです。
可哀そうですが、現時点ではロマチェンコの対抗馬は存在しないのではないでしょうか。

2020年4月にIBF王者のテオフィモ・ロペスと4団体統一戦が決まりかけてましたが、新型コロナウィルスの影響で中止になりました。
しかし、9月に開催される見込みだそうです。

WBAライト級正規王者にはメイウェザーの秘蔵っ子であるガーボンタ・デービスがいます。
23戦全勝で22KOのハードパンチャーです。
ロマチェンコは「やってもいい」と言っていますが、メイウェザーは「デービスは未だ勝てない」と思っているらしく、この試合はまだ実現しないようです。
アメリカンドリームを掴んみ生涯全戦全勝のメイウェザーから見ても、愛弟子に対戦させたくないレベルの相手なのです。